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なぜあなたは、歯並びを矯正したいのでしょうか。「口元を美しく見せたいから」「きちんと噛めるようになりたいから」「口元を隠さずに話したり笑ったりしたいから」そんな答えが返ってくるのではないでしょうか。
たしかにそういうことも大事です。でも、歯並びにはもっと重要な役目があるのです。
歯並びはかみ合わせ(咬合)と深い関係があります。歯並びの悪い人は、往々にしてかかみ合わせが悪い(不正咬合)と、さまざまな不調や心にも影響します。
つまり歯並びの矯正は、たぶん、それは体ばかりか、よりよいかみ合わせを得るために行うものなのです。なぜよりよいかみ合わせが必要なのでしょうか。
では、意外と知られていないことですが、かみ合わせはストレスをコントロールするためになくてはならないものなのです。どちらもかわいいものです。
猫がうとうとと寝ているとき、体は起きていますが脳はゆっくり休んでいます。これは脳波を見ればすぐにわかります。
一方、ぐったりと死んだように寝ているときは、眠ついているのは体だけで脳は眠っていません。それは猫の目の玉の動きを見るとわかります。
目の玉がくりくりと動いているのです。そしてそのとき、猫は歯ぎしりもします。
目の玉が動いたり歯ぎしりをするのは、脳が起きていてストレスをとっているわけです。この寝ているときの状況は、猫も人間も一緒です。
一般的にストレスをとるには、いろいろな方法があると思いますが、自分自身がストレスをとる方法としてじつは、歯ぎしりが役に立っているのでしょう。一般に歯ぎしりは、歯にとって悪いものだと思われています。
ところがいちがいにそうとはいえません。歯ぎしりは生体に必要なものなのです。
それは、脳のストレスをとるために行っているのです。みなさんは、猫が寝ているところをもちろん見たことがあるでしょう。
私も猫を飼っていますが、うとうとと気持ちよさそうに寝ている猫、ぐったりと死んだように寝ている猫の目玉が動いたり歯ぎしりをしています。じつは脳は起きていて、私たちはこわい思いをしたり強い緊張があると、ぐっと歯を食いしばったり全身に力を込めます。
そうやって筋肉を収縮させることで、精神的なストレスを解消します。脳も同じで、脳に強いストレスがかかると、その周辺にある筋肉(側頭筋や岐筋)を緊張させることでストレスを解消するのです。
その筋肉の収縮が、歯ぎしりになって現れるのです。ですから歯ぎしりはだれでもしていますし、脳もすっきりして、精神状態も穏やかに保てるでしょう。
ところが歯ぎしりがうまくできなくて脳のストレスが解消されないと、イライラしたり集中力がなくなり、キレるという状況が生まれてくるのです。歯と脳は関係が深く、脳は全身をコントロールする重要な臓器なのです。
問題は歯ぎしりをする歯並びです。寝ているあいだにスムーズに歯ぎしりができているように、よりよいかみ合わせになっていれば、問題はありません。
ところがかみ合わせが悪くて一部の歯同士が強くぶつかったり、顎関節に強い負担がかかるようでは、歯ぎしりがうまくできませんし、歯ぎしりをするごとにかみ合わせが狂っていきます。ストレスがとれないばかりか、歯がこわれさらに新しいストレスを生むことになってしまうのです。
いまの時代は、子どもにも大人にも強いストレスがかかっています。過度なストレスはあらゆる病気の引き金になり、さらに子どものいじめや家庭内暴力など、さまざまな社会問題の元凶にもなっています。
そのストレスをコントロールするストレスマネジメントと、そしてそれを担っている一つが、実はかみ合わせの治療なのです。これからの矯正治療は、たんに歯並びをみためにきれいにするだけではなく、みて、健康を考えて、顎関節の機能を考慮し、そめられているのです。
そのためには、はなるべく抜かず、3次元的にコントロールして、もどす矯正治療が必要です。よりよい歯並びの状態にすることこそ、しっかりとした検査を行って原因を除去し健康な歯その歯が本来あるべき機能的な場所に今までの2次元的なやり方で、歯を抜かずに矯正しては問題が大きくなることがあります。
なぜなら、今までの矯正では奥歯を後に直立させることができないため、歯を前に出したり左右に拡大するため、かめなくなるのです。私たちの最新の治療では、奥歯から歯を直立させていくことで根本の原因を除去します。
これが、今までと異なる重要なポイントになります。私は25年以上矯正治療に携わり、15年ほど前から歯を抜かない治療を行っています。
従来、矯正は小臼歯を抜くのが常識でした。しかしそれでは、本来その人が持っている口腔の形を変えてしまい機能が狂ってしまうことになります。
そしてその結果、逆に体調を崩したりストレスをため込んでしまうような状況が生まれているのです。健康な歯は抜かず、本来の口の形や機能を取り戻すことこそ、健康への第一歩、ストレスマネジメントの基本なのです。
教育の現場では、いま「学級崩壊」が大きな問題になっています。授業を聞かない、授業中集団で席を離れてしまう、教師を無視する、ものを壊す。
以前は考えられなかった子どもたちのこんな行動が、授業をさまたげ、学校を荒廃させているのです。こうした現象は、都市部にある一部の学校だけにとどまりません。
全国に波及し、日常化しつつあります。いじめや不登校、校内暴力など、日々深刻化しているようです。
東京都がまとめた「子ども基本調査」子どもたちをめぐる問題は、(1999年)によると、中学2年生の約7割が、親や先生、友人に対して「イライラ」したり、「むかつく」ことがあると答えています。また「ちょっとしたことで腹を立てる」と答えた子どもほど、学級崩壊につながる行動が多いこともわかりました。
この調査から透けて見えるのは、いかにキレやすい子どもが増えているかということです。私は25年以上、矯正医として子どもたちの口の中を見てきました。
かみ合わせの決まらない子どもが多くなってきたのです。「こんなに歯並びが悪ければ、心が落ちつかないのも無理のないことだ」と、その歯並びを見ながら思ったものでした。
キレやすい、むかつく子どもたちが増えている背景については、専門家がさまざまな立場でコメントしています。私は専門家ではありませんが、歯並びもその一因ではないかと思えてなりません。
最近こんな例がありました。他の一般歯科で5年間も矯正治療を受けていた子どもさんが、「どうしても眠れない」「イライラして授業に身が入らない」と私のクリニックに訪ねてきました。
診ると、倒れた奥歯をそのままにして前歯のみを動かしているので、上下の奥歯同士が強く当たっています。夜も眠れなくなるのは当然でこれではイライラします。
私はその矯正装置をはずしてもらったほうがいいと、そのおかあさんにアドバイスしました。おかあさんはすぐに治療を受けている歯科医に装置をはずしてもらったそうですが、矯正装置をとると不快な症状は心持ち改善し、眠れるようになって、集中力も戻ってきたそうです。
奥歯を放置して前歯のみの治療をするだけでは、このようなことが起こることがあります。子どもたちの歯並び・かみ合わせは、25年前に比べて格段に悪くなっています。
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